税務調査③

税務調査で何を調べるのか(収入)

それでは税務調査で何を調べてのでしょうか。まずは収入から。

収入を調べる基礎になる資料(原資料)として、過去帳があります。

調査官は「過去帳を見せてください。」と多くの場合言います。ところが宗派によっては本山(包括法人)が過去帳の開示を守秘義務(宗教法人の守秘義務は別の回に記載)の観点から禁止しているところも多数ありますので、そう言うと調査官は「守秘義務に触れるような事はしません。税務調査のために使用するのでお見せください」と言うでしょう。

過去帳で知りたいのは、葬儀の日付です。それがわかると、その翌年には一周忌、翌々年には三回忌にあたる日付が分かるからです。

過去帳を見せないかわりに年回帳のような、死亡者と死亡年月日が記載されたものを提示すると、それで済むこともあります。

税務官は、これを表にして、もれなく行っているかどうかをチェックしていきます。

落ちがあると本当にそれが行われていないかどうかを聞き取りしたり反面調査(施主からの聞き取り)をし、付け落ちが判明すると、それを住職の収入に加算し、源泉徴収の訂正を求めてくるのです。

また、お参り帳(行事や法務等の記録)を元に同様のチェック(法事、彼岸参り、棚経、報恩講、修正会、施餓鬼会等々、縁日や法要等)をし、抜け落ちがないか調べてます。

他に相続税の納税者は、税務署に相続税申告書を提出するので、申告書にお寺に支払った金額を記載しています。(その費用は相続税対象額から控除されます。)

その申告書は税務署が持っていて金額が合っているかどうかを確認します。

収入調査の多くは以上のようです。