宗教法人と金融機関

総代会や護持会の通帳は大丈夫ですか?お寺の団体の預金が会計担当者の財産に!?

実際にあった怖い話

お寺の総代会の預金に、亡き会計担当者への相続税が課されたケース。
あまり表には出ていませんが、私は数例耳にしております。

あるお寺の話です。
お寺の総代会の預金口座が個人の財産とみなされて、税務当局から相続税を課されました。
任意団体と判断されない何かがあって個人口座とみなされたのかも知れません。
その結果、総代会の預金にも本来不要のはずの税金がかかり、残高が減少する事態に。

もしそれに加えて相続人が個人の財産だと主張し始めたとすると、不要なトラブルを招きかねず、また解決までの不要な労力を必要としてしまうかもしれません。

では、そうならないようにするにはどうすればよいのでしょうか?

まず総代会や護持会(民法で人格なき社団と呼んでいます)は金融機関では任意団体とされています。
金融機関では、個人・法人・任意団体に口座開設時に区分けするようです。

どう区別されているかは通帳を見ただけでは判別できず、窓口で確認するしかないようです。

また、窓口での確認の段階で、任意団体で作った預金口座のはずが、個人の口座とみなされたことが無いとはいえない。とのことです。(現在はしっかりルールに則り確認をしていますが、以前は今に比べるとずさんだったようです。)

現在、任意団体が口座開設をするには
(ゆうちょ銀行を例にとると)
①団体の活動実績がわかる資料
②団体の総会議事録
③団体の収支報告書
④代表者の運転免許証、マイナンバーカードなど、顔写真入りの本人確認書類1点
が必要になります。

①は団体の規約(会則・規程など)
②は団体の活動実態を把握するため
③お金にまつわる実態把握
④代表者の特定
などで実態を確認したいのではないかとおもいます。

ゆうちょ銀行ではご丁寧に以下のものも用意しています。
・ 団体規約の見本
・ 団体名簿の見本
・ 総会議事録の見本
・ 収支報告書の見本

口座の名前の欄には、法人名と代表者の役職(規則等に書かれた会長など)と氏名が記載されます。

しかし、私は二十数年前にPTAの役員をやっておりましたが、その時には○○小学校会計○○(会長○○ではなかった)と通帳に記載があり会計担当者が変わる度に郵便局に行った記憶があります。
また、同様にお寺の護持会の通帳でも会計○○と記載があったのを覚えております。

近年マネーロンダリングの規制法ができたりして厳格に規定されていますが、何年も前に作った口座は確認した方が良いかもしれません。