立替精算記帳方法「現金残高にマイナスは無い」
前々回のコラム【 現金出納の注意点① 「立替精算」 】に関するご質問をいただきました。 「お車料お膳料の会計科目は何になりますか?」 とのことでした。
記帳には様々な方法があると思いますが、お車料お膳料はそれぞれ葬儀や年回(法事)等の法務に付随するお布施であるため、同一の会計科目で扱っても問題ないと考えます。
例えば、法事布施50,000円、お膳料10,000円、お車料5,000円の場合について以下のように記帳する方法があります。
日付:〇日
科目:法事布施
摘要:A家〇回忌(お膳料お車料15,000円)
収入金額:65,000円
より分かりやすくするために、「お膳料10,000円、お車料5,000円」と詳細に記帳していただいても構いません。
もしくは、さらに詳細に記載する場合には以下のように3行に分けて記帳することも可能です。
1、
日付:〇日
科目:法事布施
摘要:A家〇回忌
収入金額:50,000円
2、
日付:〇日
科目:法事布施
摘要:A家〇回忌お膳料
収入金額:10,000円
3、
日付:〇日
科目:法事布施
摘要:A家〇回忌お車料
収入金額:5,000円
立替精算時に特に注意しなければならないのは「現金残高にマイナスが生じない」ということです。現金出納帳は現金の流れを正確に記録するものであり、現金のマイナスは基本的にあり得ません。領収書の日付に合わせて記帳すると、現金の流れとは異なり、マイナスが発生することがあります。
例えば、ご住職が三日前に10,000円のお寺の物を購入し、立替えたとします。その日の現金残高は8,000円でした。この立替えを本日現金で精算するとしましょう。本日の立替精算前の現金残高は20,000円だった場合について考えます。
1、領収書の日付の三日前に精算したように記帳すると、現金残高はマイナス2,000円になります。
2、本日精算したと記帳すれば、現金残高は10,000円となります。
上記のように、実際の現金の流れは2の方法ですので、領収書の日付で記帳するのではなく、実際の流れに基づいて記帳するのが正しいことが分かります。何日分かまとめて記帳する際には特に注意してください。領収書に精算日を記入しておくことで防げるかもしれません。